分類:イネ科 > イチゴツナギ属 / 一年草(越年草) イネ科雑草
英名:Winter grass, Annual Bluegrass
学名:Poa annual
原産:ユーラシア原産
芝生に生える代表的な雑草
スズメノカタビラは、芝生の生育条件を好むために、芝生によく発生する雑草です。
温暖な地方では一年中発芽して生長し、花を咲かせて種を作るので、完全な駆除が困難な雑草といわれています。
スズメノカタビラを見つけたら、生長する前に抜き取ってしまうのが得策です。増えすぎた場合は除草剤も使用しながら駆除をしてください。
このページでは、スズメノカタビラの特徴、発生時期、発生場所、除草方法などを紹介しています。
スズメノカタビラの基本情報
科目 | イネ科 |
属名 | イチゴツナギ属 |
生育 | 一年草(越年草) |
分類 | イネ科雑草 |
英名 | Winter grass, Annual Bluegrass |
学名 | Poa annual |
原産 | ユーラシア原産 |
別名 | ハナビソウ、ハグサ、ハナビグサ、ホコリグサ、ビンボウグサ |
繁殖 | 種子 |
草丈 | 5~30㎝ |
分布 | 日本全土/北海道、本州、四国、九州、沖縄 |
スズメノカタビラの特徴
芝生に生える厄介な雑草
スズメノカタビラはイネ科の一年草(越年草)で、世界中で生息が確認されている雑草です。日本では北海道、本州、四国、九州、沖縄などに生息しており、春に増えるイネ科の代表的な雑草です。
芝生と同じイネ科に属しており、芝生と育つ条件が似ているために芝生によく発生します。群生して生長することが多いが、一個体で増えていくこともあります。
温暖な地域では、一年中花を咲かす雑草
スズメノカタビラは秋から春にかけて発生し、春早くから成長して株を作りながら花が咲きます。
基本的には、春から夏が開花期ですが、暖かく日当たりの良い場所であれば、冬の間でも花を咲かせます。スズメノカタビラの花粉は、花粉症の原因にもなっています。
スズメノカタビラの容姿
スズメノカタビラの葉は柔らかく、垂れ下がっています。葉の表面は滑らかで無毛、葉の先端は丸みを帯びています。草丈は5~30㎝に成長。まとまって株をつけます。
スズメノカタビラには多くの亜種がある
スズメノカタビラは亜種が多く、48種類以上あるといわれています。
代表的な亜種としては、多年生のツルスズメノカタビラ、オオスズメノカタビラ、ケンタッキーブルーグラス、類似種のツクシスズメノカタビラなどがあります。
芝生とスズメノカタビラの違い
スズメノカタビラは、見た目が芝生とよく似ており、「芝もどき」とも呼ばれるほどです。しかし、よく見ると違いがあるので見分ける事ができます。
芝生 | スズメノカタビラ | |
---|---|---|
葉の形 | 先端が鋭く尖っている | 先端が丸みを帯びている |
葉の硬さ | 硬い | 柔らかい |
根の形 | ほふく茎 | 株立ち |
スズメノカタビラの発生時期
真夏以外は1年中生育する雑草
生育期間 | 10~7月 |
開花期間 | 3~6月 |
スズメノカタビラの生育期間は10~7月。種子で繁殖する雑草です。秋~春の期間が旺盛に生長する時期となります。
最適な発芽温度は10~16℃。秋から春にかけて発生し、株を形成しながら幼苗で冬を越します。
その後、3月〜6月にかけて花を咲かせて、一年草のため、実を作ったあとは株が枯れてしまします。
暖かい地方では冬の間でも花を咲かせます
スズメノカタビラは、春から夏にかけてが開花期となっていますが、温度、湿度、日当たりなどの条件が整えばどの季節でも生長することができます。
そのため、温かい地方であれば、一年中、発芽・生育して花を咲かせています。
スズメノカタビラの発生場所
芝生にも多く発生する雑草
スズメノカタビラは、あぜ道、道ばた、人家の周辺、空き地、畑地、庭、桑園など、私たちの身近に生息してます。
芝生と同じイネ科の雑草であり、芝生が育つ温度・水分条件とスズメノカタビラが育つ条件が同じであるために、ゴルフ場、グランド、園地、庭園などの芝生にも多く発生します。
基本的には、日当たりの良い場所、湿った土壌、酸性の土壌を好みますが、寒さに強い、日陰に強いなどの特徴を持っているため、木や建物などの日陰や、水地帯、排水路などの湿地でも見ることができます。
スズメノカタビラの除草方法
完全に駆除するのが難しい雑草です
スズメノカタビラは、1年を通して花が咲き、種を蒔くため駆除の難しい雑草です。しかも、芝生が育つ環境で育ちやすいので、防除するのも難しいです。
冬の間は芝生の刈高を高くしておくことで、スズメノカタビラの芽に日が当たらないようにして、ある程度発生を防ぐことができます。
手作業で除草する場合は、こまめな草むしりが必要です。
除草剤を使う場合は、イネ科雑草に効果のある、芝生用の除草剤を使って除草を行いましょう。
手作業による除草方法
早めの草むしりが必要
スズメノカタビラが成長してしまうと、手で抜こうとしても根がきれいに抜けません。しかも、根が残っていると、そこから再び発生するという特性があります。
株が生長する前なら、比較的抜きやすいので、大きくなる前に早めに抜いてしまうのがポイントです。
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除草剤による除草方法
必ず芝生用の除草剤を使う
スズメノカタビラがたくさん生えてしまった場合は、手作業での除草は困難です。その場合は、芝生用の除草剤を使って駆除します。
除草剤を使用する場合は、イネ科雑草に効く「シバニードアップ粒剤」や「シバキープⅡ粒剤」を使用します。
真夏や、乾燥している時期、芝生が弱っている時期を避けて散布してください。
なお「シバニードアップ粒剤」や「シバキープⅡ粒剤」は、西洋芝を枯らしてしまうので、日本芝のみに使用できる除草剤なので、注意が必要です。
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シバニードアップ粒剤
シバニードアップ粒剤は日本芝に対して使える除草剤です。一年生のイネ科雑草である「スズメノカタビラ」や」メヒシバ」などを枯らすことができます。
※西洋芝は枯らしてしまうので使用できません。
雑草を枯らすだけではなく、雑草の発芽を抑える効果が3ヶ月持続するので、雑草が生えないように予防的に使用することもできます。
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シバキープⅢ粒剤
シバキープⅢ粒剤は日本芝に対して使える除草剤です。
一年生のイネ科雑草である「スズメノカタビラ」や」メヒシバ」などを枯らすことができます。さらに、スギナやクローバー等の多年生広葉雑草やヤハズソウ等の一年生広葉雑草にも効果があります。
※西洋芝は枯らしてしまうので使用できません。
3週間前後で雑草を枯らし、3ヶ月間、雑草の発生を抑える効果が続きます。
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その他の雑草
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スズメノカタビラ
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シロツメクサ(クローバー)
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