芝生を育てていく上で、様々なトラブルに遭遇すると思います。芝生に発生するトラブルは、
- 適切な手入れが出来ていない
- 病気や害虫による被害
- 床土の状態が悪い
などが原因で起こることが多く、芝生が枯れたり変色したりなどの症状が現れます。
そのまま放置しておいても、芝生の回復力で自然に治ることもありますが、多くのトラブルは、適切に対処することで確実に治すことが出来ます。
このページでは、芝生に発生するトラブルとその解決方法を紹介しています。
芝生が枯れる原因と対処方法

まずは、間違った手入れ方法を疑う。
芝生が枯れる原因は、病気や害虫による被害を除き、間違った手入れ方法などが原因の場合が多いので、まずは直前に行った芝生を手入れを疑ってみてください。
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芝生が枯れる原因と対処方法
- 適切な水やりが出来ていない(水不足)
- 間違った除草剤の使い方(夏のの除草剤や芝生用以外の除草剤の使用)
- 猛暑日の施肥(肥料やけ)
- 芝生の病気による被害(春はげ症・さび病・ブラウンバッチなど)
- 芝生の害虫による被害(シバツトガ・スジキリヨトウ・スジコガネなど)
↓芝生が枯れる原因と対処方法について詳しくはこちら
水不足

夏に晴れの日が続いた場合は、芝生が水不足になりやすい。
芝生も他の植物と同様に、成長するためには水が必要です。雨が比較的多い春と秋は、自然に降る雨で水分が補給できますが、夏に晴れの日が続いた場合は、芝生が水不足になりやすいので、頻繁に水やりをしてください。
高麗芝などの日本芝は、日本の気候に適しているので、多少の水不足にも耐えることができますが、西洋芝の種類の中には乾燥に弱い種類もあるので、適切な水管理が必要となります。
水不足の対策方法
芝生の葉が乾燥してくると、丸まってきて補足なりますので、水やりを行います。水不足によって芝生を枯らしてしまった場合は、十分に水やりをすることで新芽が出てくる可能性もありますが、新芽が出てこずに枯れたままであれば、植え直しをしましょう。
↓芝生の水やりについては下記ページもご覧ください。
芝生の病気

春はげ症、さび病、ブラウンバッチ
間違った手入れに心当たりがない場合は、芝生の病気が考えられます。芝生の主な病気には、春はげ症、さび病、ブラウンバッチなどがあり、芝生の葉が部分的に黄色くなったり、枯れたりする症状が現れます。
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芝生の病気と予防・対処方法
- 春はげ症:春に高麗芝によく発生/部分的に剥げる
- さび病:初夏や秋によく発生/葉に黄色い粉が斑点状に付く
- ブラウンバッチ:夏の西洋芝によく発生/円形に枯れる
対策方法
芝生の症状にあった殺菌剤を使用する。
症状が軽い場合は、放置しておいても自然と回復することがありますが、放っておくと周囲の芝生に被害が拡大することがあります。まずは、病気の種類を見極め、芝生の症状にあった殺菌剤を使って早めに対処する必要があります。
↓芝生の病気と予防・対処方法については、下記のページで詳しく紹介しています。
芝生の害虫

芝生の害虫は、葉を食べる食害を起こします。
芝生の害虫は芝生に卵を産みます。そして卵から生まれた幼虫は、芝生の葉を食べる食害を起こします。芝生の害虫は、シバツトガ、スジキリヨトウ、スジコガネ(コガネムジ)が有名です。
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芝生の害虫と対処・予防方法
- シバツトガ:幼虫が新芽を食べる食害を起こす。
- スジキリヨトウ:5月〜9月にかけてよく発生する。食害を起こす。
- スジコガネ(コガネムシ):4月〜5月によく発生する。成虫も被害を起こす。
対策方法
芝生の害虫は、放置すると被害が拡大するので、スミチオン乳剤などの薬剤を散布して早めに対処します。害虫による被害は、適切に対処することできれいな芝生に復活させることができます。
- シバツトガ:カルホス乳剤、ダイアジノン乳剤
- スジキリヨトウ:ダイアジノン乳剤、デュプテレクス乳剤
- スジコガネ(コガネムシ):カルホス乳剤、スミチオン乳剤
↓芝生の害虫については、下記ページで詳しくまとめています。
軸刈り

芝生の成長点より下の部分を刈ってしまう「軸刈り」
芝生を一度に短く刈りすぎてしまったり、伸びすぎた芝生を刈った時には、軸刈りになってしまいます。軸刈りとは、芝生の成長点より下の部分を刈ってしまった場合に起こります。葉の部分をすべて刈ってしまった為に、枯れたように見えます。
対策方法
まずは軸刈りをしないように、伸びすぎた芝生を刈るには、数回に分けて少しずつ芝刈りを行います。軸刈りで葉の部分が無くなった芝生は、光合成ができなくなり成長が鈍るので、新芽が出てくるまで待つ必要があります。
芝生が元気に育たない

床土が固くなると芝生が育ちません。
芝生を植えて1年目は綺麗な芝生だったが、2年目・3年目になると段々と芝生の元気が無くなってくることがあります。この場合は、月日が経つことによって床土が固くなったことが原因が多いようです。
芝生を植える時に床土つくりで手を抜いたり、人がよく歩く場所に芝生を植えている場合は、芝生の床土が固く締まってしまい、芝生の根の成長を妨げます。その結果、月日が経つにつれて、芝生がだんだんと成長しなくなっていきます。
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2年目の芝生が元気に育たない原因と対策
対策方法
土の硬さを根本的に解決すためには、一度芝生を剥がして床土を柔らかく作り直す必要があります。しかし、芝生を剥がさなくても、コアリングやエアレーションを定期的に行うことで、床土の柔らかさを維持することができます。
- コアリング:古い床土を取り出し、新しいを土を入れる
- エアレーション:芝生に穴を開けて部分的に耕す
- 踏み固めない:芝生の上を歩かない
↓芝生が元気に育たない場合の解決方法については、下記のページで詳しく紹介しています。
季節によって枯れる

暖地型芝生は冬に枯れてしまいます。
高麗芝などの暖地型芝生は、冬(気温が10℃以下)になると、枯れて茶色くなってしまいますが、これは暖地型芝生の特性なので防ぐことは出来ません。
また、北海道・東北の地域以外で、寒地型芝生を植えている場合は、夏の厚さに耐えられずに枯れてしまう場合があります。
対策方法
暖地型芝生が冬に枯れてしまっても、春になり暖かくなると、新芽が出てきて自然と緑の芝生が復活するので、対策をする必要はありません。芝生の変化で四季を感じるのも、芝生の楽しみ方の一つです。
お住いの地域に寒地型芝生が適していなかったため、寒地型芝生を枯らしてしまった場合は、一度芝生を剥がしてしまって、暑さに強い品種や暖地型芝生を植え直す必要があります。
芝生に生えるきのこ

芝生にキノコが発生するのは、珍しいことではありません。
梅雨や秋には、芝生にはよくキノコが生えてきます。芝生の上に生えたキノコはよく目立つので、朝起きて突然キノコが生えていてびっくりすることがよくあります。
日当たりが悪い、通気性が悪い土壌では、芝生に湿気がたまりやすく、キノコが発生しやすい原因となっています。芝生にキノコが生える土壌は芝生にとっても良くない土壌なので、キノコを駆除するというよりも、キノコが生えにくい土壌を作るように対策をすることが重要だと思います。
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芝生のキノコを駆除・予防する方法
- ヒメホコリタケ:白い玉状・表面にトゲがある(姫埃茸)
- キコガサタケ:三角帽子のような傘・可愛い見た目(黄小傘茸)
- シバフタケ:茶色のキノコ(芝生茸)
対策方法
キノコを見つけた場合は、殺菌剤を使用して駆除&予防する方法もありますが、その場で抜いて駆除するだけでも十分です。そのまま放置すると胞子を飛ばしてしまいキノコが繁殖します。
それよりも通気性の良い土壌を作り、キノコが生えにくい環境を作ることが重要です。特にサッチ(枯れた芝)を放置しておくとキノコの栄養分となるので、サッチングをして取り除くと良いでしょう。
↓芝生のキノコを駆除・予防する方法は、下記のページで詳しく紹介しています。