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ウィーピングラブグラス – 道路の法面や斜面での土砂崩れ防止に使われる雑草

この記事の概要

ウィーピングラブグラス(Eragrostis curvula)は、道路の法面や斜面での土砂崩れ防止に使われ、日本では雑草として認識されています。このページでは、ウィーピングラブグラスの特徴、植栽ゾーン、利用用途を芝生愛好家の芝太郎が紹介しています。

ウィーピングラブグラス 芝生の種類と比較
この記事は約4分で読めます。

日本では雑草として認識されており、観賞用の芝生には使われません。

ウィーピングラブグラス(Eragrostis curvula)とは、イネ科 > スズメガヤ属の西洋芝。暖地型芝生(夏芝)に含まれる芝草です。

南アフリカが原産の多年草だが、日本では、昭和20年代に使われ始め、道路の法面や斜面での土砂崩れ防止に広く使われて、日本全国に広まりました。

ウィーピングラブグラスは、砂丘地帯などの緑化や牧草に使われることはありますが、一般家庭の芝生に使用されることはありません。それどころか、日本では外来種の雑草として広く認識され、要注意外来生物にも指定されています。

このページでは、ウィーピングラブグラスの特徴を紹介していますが、一般家庭で芝生を植えたい方は読まなくでもOKです。

暖地型西洋芝とは

海外から日本に輸入された芝生の種類。暖地型芝生のグループに属し春から秋にかけて成長する芝生です。

生育温度は23~35°C。夏は特に旺盛に成長します。日本芝と同様に冬になると休眠期に入り枯れて茶色くなります。

成長スピードが早いため管理の手間がかかるが、丈夫な芝生です。

↓他の種類を見たい方は、下記ページで紹介しています。

ウィーピングラブグラスの特徴

Eragrostis curvula / イネ科 > スズメガヤ属
和名:シナダレスズメガヤ / 原産:南アフリカ
暖地型西洋芝

葉の長さは25〜50cmにもなり、先端が垂れ下がる草姿

ウィーピングラブグラスは、成長すると葉や穂などが先が垂れ下がり、葉の長さが25〜50cmにもなる芝草です。見た目が美しく、根の張り方が強いために、日本では道路の法面や斜面などの土砂流出防止に利用されています。

葉の幅は2mmほどで細長く、多数の茎が集まって大きな株を作ります。花期(穂が出る時期)は8~10月となっており、夏になると紫がかった小さい穂が、茎の先につきます。

砂質土壌に適しているが、排水性の良い土壌であれば特別土壌を選ばいないため、海外では、砂丘地帯などの緑化や牧草に使われています。

ウィーピングラブグラスの特徴まとめ

生育地域東北より南の地域
主な用途法面緑化など
管理の難易度
葉質長さ25〜50cm、幅2mm
耐踏圧性
耐陰性

生育地域:生育に最適な地域 / 管理の難易度:水やり、刈り込み頻度など
葉質:葉の細かさや密度 / 耐踏圧性:踏まれたときの強さ
耐陰性:日陰に対する強さ

山林火災の要因?

ウィーピングラブグラスは葉が細く非常に燃えやすいために、タバコの投げ捨てなどによる、山林火災の要因の一つと言われています。

ウィーピングラブグラスの植栽ゾーン

東北より南の地域で育つことが出来る

ウィーピングラブグラスは、暖地型西洋芝の特徴を持っていますが、比較的寒さにも強いため、東北より南の地域であれば育つことが出来ます。

↓温量指数による芝生の選び方はこちら

ウィーピングラブグラスの利用用途

法面緑化などで使われる芝草

ウィーピングラブグラスはその特徴から、一般家庭の観賞用芝生として使用されることや、競技施設のスポーツターフとして使用されることはありません。

日本では1959年に四国農業試験場に導入されたのが最初で、根の張り方が強い特徴を持つために、道路の法面緑化、斜面での土砂崩れ防止などに使われました。

現在では、日本全国に分布を拡大しており、道端、空地、河原などでも見ることができます。

ウィーピングラブグラスの豆知識

すすり泣く愛の草

ウィーピングラブグラスとは、英語で、weeping(すすり泣く) love(愛) grass(草)。つまり、すすり泣く愛の草という意味で、おそらく、葉が細くてしな垂れる見た目から付けられた名前だと思われます。

このページをご覧になっている方は、観賞用の芝草を調べている方がほとんどなので、ウィーピングラブグラスを紹介する意味はあまりないと思いますが、広義の意味では芝草だと思って紹介してみました。

日本では雑草として認識されているので、シナダレスズメガヤとして紹介したほうが良かったかもしれませんね。

↓その他の芝生の種類はこちら

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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