New Article

ブルーグラス類 – 世界で最も植えられている西洋芝。北海道や東北に最適

この記事の概要

ブルーグラス類(Poa)の品種にはケンタッキーブルーグラス、アニュアルブルーグラス、ラフブルーグラスなどがあります。このページでは、ブルーグラス類の特徴、植栽ゾーン、品種、利用施設、植え方、手入れ方法を紹介しています。

ブルーグラス類 芝生の種類と比較
この記事は約5分で読めます。

寒い地域では最も一般的な芝生

ブルーグラス類(Poa)とはイネ科 > イチゴツナギ亜科 > イチゴツナギ属の西洋芝。寒地型芝生(冬芝)に含まれる芝草です。

ヨーロッパなどの寒い地域では最も一般的な芝生で、世界で最も栽培されている芝生でもあり、代表種のケンタッキーブルーグラスが有名です。

地中茎により繁殖し、寒さに強いが、その反面、高温多湿には弱く、日本では北海道や東北の一部でしか夏を乗り越えられません。

このページでは、ブルーグラス類の特徴や、利用施設、植え方、育て方、購入方法などを紹介しています。

寒地型西洋芝とは

海外から日本に輸入された芝生の種類。寒地型芝生のグループに属し比較的涼しい気温で成長する芝生です。

日本では春と秋の気温が生育温度となっているので、北海道と東北の一部地域以外では夏の暑さを乗り切ることはできません。

ウィンターオーバーシード用の芝草として使われる事があります。

ブルーグラス類の特徴

Poa / イネ科 > イチゴツナギ亜科 > イチゴツナギ属
寒地型西洋芝

成長は遅いが、完成すると強い芝生を作ることができる

ブルーグラス類の芝草は、葉質は細く柔らかく、青みがかった葉色が特徴。発芽後1~2年の生育は遅いが、地下の匍匐茎の成長力が強く、密度の高い絨毯のような芝生作ることができます。

ベントグラスよりも寒さに強く、寒冷地に適しているが、耐暑性・耐病性は品種によって大きく異なるので、品種は慎重に選ぶ必要があります。

さび病の原因の一つとなる「低刈り」には向いていないが、病気に強い、寿命が長い、踏圧に強い、日陰に強い(半日日陰でもOK)などのメリットがあるため、世界で最も人気のある芝生となっています。

ブルーグラス類の特徴まとめ

生育地域北海道・東北地方
主な用途一般家庭の芝生・ゴルフ場・スポーツ施設
管理の難易度普通
葉質葉の幅は普通・葉の密度は荒い
耐踏圧性強い
耐陰性強い

生育地域:生育に最適な地域 / 管理の難易度:水やり、刈り込み頻度など
葉質:葉の細かさや密度 / 耐踏圧性:踏まれたときの強さ
耐陰性:日陰に対する強さ

ブルーグラス類の植栽ゾーン

北海道や東北地方に最適な芝生

ブルーグラス類の生育温度は15℃~20℃です。ベントグラスよりも寒い地方に適した性質を持っており、ケンタッキーブルーグラスなどは、北海道や東北地方でよく植えられている芝生です。

暑さや乾燥に弱いため、関東から南の地域では夏の暑さに耐えることが出来ませんが、近年では、品種改良や管理技術の向上により、条件によっては温暖な地域でも育てることができる品種もあります。

ただし、耐暑性は品種によって差が大きいので、品種選定は慎重にする必要があります。

↓温量指数による芝生の選び方はこちら

ブルーグラス類の芝草

ケンタッキーブルーグラスが一番人気のある品種ですが、その他にもアニュアルブルーグラス、ラフブルーグラス、カナダブルーグラスなどの多くの種類があります。

ケンタッキーブルーグラス

Poa pratensis / イネ科 > イチゴツナギ亜科 > イチゴツナギ属
寒地型西洋芝

ケンタッキーブルーグラスの和名はナガハグサ。ブルーグラス類の中でも最も有名な芝草で、明治に日本に輸入され、北海道や東北地方を中心に、多くの一般家庭で植えられています。

芝草だけではなく、牧草としても広く利用されています。

アニュアルブルーグラス

Poa annua / イネ科
寒地型西洋芝

アニュアルブルーグラスの和名はスズメノカタビラ。アメリカではPoana(ポアナ)と呼ばれています。

アメリカでは、牧草として使われることが多いが、開花期間が長くて白い穂が目立つために、日本では雑草として扱われることが多く、一般には流通していません。

ラフブルーグラス

Poa trivialis / イネ科
寒地型西洋芝

ラフブルーグラスの別名はポア・トリビアリス。低刈りにも耐えることができるため、ウィンターオーバーシードに使用されることが多い芝草です。

参考記事
一年中緑の芝生を楽しめるオーバーシード

ブルーグラス類の利用施設

ブルーグラス

一般家庭の芝生・ゴルフ場・スポーツ競技場で使用される

ブルーグラス類は地下茎の繁殖力が強いため、寒冷地では一般家庭の芝生として、また、ゴルフ場のグリーンのエッジやフェアウェイ、スポーツ競技場などでも使用されています。

ブルーグラス類の植え方

種子から植えるのが一般的

ブルーグラス類は、切り芝(苗)で植える方法と、種まきで植える方法がありますが、日本では種子から植えるのが一般的となっています。

種子の発芽と生長が遅いため、早く芝生を楽しむために、生長の早いレッドフェイクと混播する場合があります。

切り芝の張り方

まずは、砂質が多くて水はけの良い床土を作り、その上に切り芝を隙間なく並べていきます。

切り芝は、ホームセンターやネット通販で購入します。ロール状になった切り芝も販売されています。

種を蒔く植え方よりもコストは掛かりますが、直ぐに緑の芝生を楽しめる植え方です。

↓切り芝の張り方ついて詳しく知りたい方はこちら

種まきで育てる方法

砂質が多くて水はけの良い床土を作り、レーキなどで10㎝間隔で溝を掘りってから、種を撒きます。

種の上から3mm〜5mmの厚みで土をかぶせ、さらにその上から不織布などをかぶせて種を保護します。

切り芝の植え方よりも、時間がかかるが、低コストで芝生を植えることができます。

ブルーグラス類の手入れ

さび病に弱いので注意

ブルーグラス類は、発芽後の1~2年は育成が遅いため手入れは楽です。しかし、さび病に弱いので、さび病の原因の一つとなる「低刈り」は避けましょう。

↓芝生の手入れ方法について詳しく知りたい場合は、下記のページをご覧ください。

ブルーグラス類の入手方法

ホームセンター、園芸店、ネット通販で購入

ケンタッキーブルーグラスは、北海道、岩手、宮城、栃木などで生産されています。ホームセンターや園芸店、インターネット通販などで購入する事ができます。

広く利用されている北海道であれば、ホームセンターなどでもソッドが販売されていますが、本州などでは見かけることはほぼありません。

↓ブルーグラス類の購入はこちら。


↓その他の芝生の種類はこちら

この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

芝太郎をフォローする
芝生の種類と比較
芝生のDIYなら芝太郎の芝生ガーデニング