【根切り】芝生のスライシング作業でいつまでも綺麗な芝生を維持する

スライシング芝生の手入れ

芝生の根を切り、新陳代謝を促すスライシング作業

芝生のスライシング作業は、芝生を長い期間に渡って美しく保つために非常に効果的な手入れです。芝生の根切りとも呼ばれています。

成長した芝生にターフカッターというスコップのような形の専用道具を突き刺し土の中で密集している芝生の根を切ることで、芝生の新しい根を成長させる「根切り」の効果に加えて、土壌の通気性改善、水はけの改善、病気の予防効果があり、元気がなくなってしまった芝生でも、美しい状態に復活することができます。

スライシング作業自体はそんなに難しい作業ではありません。このページでは、スライシング作業の目的、方法、道具などについて紹介していますので、最近芝生に元気がない人や、いつまでも最高の状態の芝生にしていたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

芝生の根切りが必要な理由とは

芝生は何年も経つと老化するので、スライシングで若返りが必要です。

芝生は一度植えると、根が水平方向に伸びていきながら成長を続ける植物です。

しかし、植えた当初は密度があり綺麗な芝生であっても、植えてから2~3年経って根が伸び切るとそれ以降はあまり成長しなくなり、芝生の密度が薄くなったり、部分的に新芽が生えてこないような現象が起こります。

この現象は、地面の中の根が密集した状態になってしまい、土が固くなる、通気性や水はけが悪くなるなど、土壌の状態がどんどん悪くなってきて、芝生の成長を妨げてしまうことが原因で起こります。

芝生の古い根を切って刺激を与え、新芽の発生を促す。

では芝生の老化を防ぐためにはどのようにすればよいのでしょうか?

芝生は古い根を切られることで、自分自身を再生しようとして、切り口から新しい根が生えてきたり、新しい芽を出し始めます。その芝生の生命力を利用して、老化を防ぐためにスライシング作業で芝生の根を切ってあげれば良いのです。

また、スライシング作業は、根を切るために地面に刃で切れ目を入れることになるので、結果的に土をほぐす効果もあり、土壌の通気性改善や水はけ改善の効果もあります。

スライシングの効果

スライシングは芝生にとって多くのメリットがありますが、その中でも最も期待できる3つの効果について説明します。

1.芝生に刺激を与えることで、新芽の成長を促すことが出来る。

老化した芝生は、根を切られることで新しく根を伸ばしたり新芽を出したりと、再生・成長しようとするので、定期的なスライシング作業で芝生に刺激を与えて、いつまでも成長する元気な芝生を作ることが出来ます。

2.土の中で密集した根を切り土をほぐすことで、土壌の水はけが改善する。

芝生や地面にターフカッターの刃を入れることになるので、結果的に土をほぐすことができ、水はけの改善につながります。特に人がよく歩く場所は土が踏み固められて水はけが悪くなりがちなので、水はけ改善の効果も大きくなります。

3.土をほぐすことで通気性がよくなり、病気や害虫の予防ができる。

芝生や地面にターフカッターの刃を入れることで土をほぐすことができ、土壌の通気性が改善されます。通気性の良くなった土壌では、微生物の働きが活発になるので、サッチ層や古い根の分解を促進することができ、芝生の新陳代謝がよくなります。

このように、芝生のスライシング作業には多くの効果があり、手入れを怠って剥げてしまった芝生でも、元気であった状態に戻すことができる可能性があります。

もちろん定期的にスライシングを行うのが良いのは言うまでもありません。定期的なスライシング作業は、密度が高くて綺麗な芝生を、長期間保ち続けることができます。

次の項では、芝生のスライシングに最適な時期と回数などを紹介します。

↓芝生の更新作業についてはこちらのページで紹介しています。

芝生のスライシングに最適な時期と回数は?

スライシング

芝生の成長が始まる時期のスライシング作業が理想的です。

スライシング作業には適した時期があります。

なぜかというと、スライシングは芝生の根を切ることになるので、芝生にかなりの負担を与える事になります。そのため、芝生の成長する時期に行い早めに芝生を復活させる必要があるからです。

可能であれば、芝生が成長を始めてこれから活発に成長を始める前の時期に行うのが理想的です。

休眠期のスライシング作業は避ける

成長が止まりかけた芝生や、休眠期に入った芝生にスライシング作業をしても、芝生にダメージを与えてしまうだけになりデメリットしかないので避けてください。

暖地型芝生と寒地型芝生で、最適な時期が異なる。

芝生は、大きく分けて暖地型芝生と寒地型芝生があり、成長する気温(時期)が異なります。そのため、スライシング作業に最適な時期も異なってくるので、自分の植えている芝生に合わせてスライシング作業の時期を決めてください。

なお、このページ紹介しているスライシングの時期や回数は一般的な目安となります。お住まいの地域やその年の気温、芝生の種類や状態によって、理想的なスライシングの時期は異なってくるので、あくまでも目安として考えていただければと思います。

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高麗芝などの暖地型芝生のスライシング時期

暖地型芝生のスライシング時期

適した時期春:3月中旬〜6月 秋:9月
最適な時期春:3月中旬(更新作業の時期)
適さない時期夏:7月〜8月

高麗芝やバミューダグラスなどの暖地型芝生は、気温が15℃以上になると成長を始めます。そのため、暖地型芝生は「3月中旬〜6月」「9月」までがスライシングに適した時期になります。

その中でも、最も効果が高いのは成長を始める「3月中旬」ごろです。この時期は、芝生の更新作業に最適な時期でもあり、春の更新作業の一環として、毎年スライシング作業を行うのが理想的といえます。

見出し気温が高い7月〜8月は避ける

スライシング作業は芝生に一時的にダメージを与えます。暑さに強い暖地型芝生といえども、気温が高い時期に根切りをしてしまうと、芝生が枯れてしまうリスクがあるので、夏のスライシング作業は避けてください。

寒地型芝生のスライシング時期

寒地型芝生のスライシング時期

適した時期春:3月〜6月 9月〜10月
適さない時期夏:7月〜8月

ケンタッキーブルーグラスやベントグラス芝のような寒地型芝生は、気温が5℃以上になると成長を始めます。そのため、寒地型芝生は「3月〜6月」「9月〜10月」までがスライシングに適した時期になります。

気温が高い7月〜8月は避ける

スライシング作業は芝生に一時的にダメージを与えます。特に、寒地型芝生は暑さに弱く芝生が枯れてしまうリスクが大きいので、夏のスライシング作業は厳禁です。

スライシング作業の頻度

春の更新作業の一環として、年1回のスライシング作業が目安です

スライシング作業による根切りは、芝生の成長を促す大切な作業ですが、芝生を傷つけ大きなダメージを与えることになるために、回数が多すぎても良くありません。

基本的には、年1回を目安にスライシング作業を行うと良いと思いいます。暖地型芝生であれば、春の更新作業の一環として、毎年行うと良いでしょう。

更に、芝生の仕上がりにこだわりたい方は、夏の終りに2回めのスライシング作業をしても良いと思います。

芝生を植えた年と翌年は根切り不要

芝生を植えた年や翌年は、根が十分に育っていないため、スライシング作業は不要です。芝生の根が十分に育った3年目からスライシングを始めてください。

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スライシングの道具

芝生の道具3種類

芝生のスライシング作業には、芝生の根切り専用道具である「ターフカッター」を使用します。

また、エアレーション作業に使用するローンスパイクという道具を使っても、根切りの効果があります。(ターフカッターに比べて効果は劣る)

ターフカッターやローンスパイクは多くのメーカーから発売されています。そのぞれの商品に特徴がありますので、目的に合わせて購入しておくと良いでしょう。

ターフカッター

ターフカッター

芝生の根切り専用道具であるターフカッターは、スライシング作業に欠かせない道具です。

ターフカッターは多くのメーカーから発売されていますが、先端が半円形の刃になっており持つためのハンドルがついている形状が一般的です。先端の刃を、芝生に垂直に突き刺して、体重をかけるようにして根を切ることができます。

ホームセンターなどで安価で販売されていますが、切れ味の鋭い商品はそこそこ高価なので、予算に合わせて購入してください。

なお、ターフカッターはスライシング作業のほか、エッジ部分の処理(際刈り)や、補植作業で芝生を切り出す時にも使用できます。

ターフカッターの代用

ターフカッターの代わりとして、スコップや鎌、大きめのカッターナイフなどで根切りをすることも可能です。

詳しくはこちら
ターフカッターで芝生の根を切る

ローンスパイク

ローンスパイクは刃を突き刺して穴を開け、通気性や土をほぐすために使いますが、芝生の根を切る効果もあります。ただし、ターフカッターに比べて根切りの効果は劣るので、なるべくターフカッターを使いましょう。

詳しくはこちら
ローンスパイクで芝生に穴を開ける

スライシングマシン

アタッチメントを取り付けることで、スライシングが出来る電動芝刈り機も販売されています。スライシングの作業は体力を使う作業なので、広い芝生をお持ちの方はこのような便利な道具を使用すると良いでしょう。

芝生のスライシングの方法

ここでは、ターフカッター使ったスライシングの方法を紹介します。スライシングの作業はとても簡単ですが、芝生の根を切りすぎて芝生にダメージを与えすぎると、回復に時間がかかるので注意してください。

スライシング作業 – STEP1

スライシング作業の前には、いつもより短めに芝刈りをして、作業しやすい状態にします。

スライシング作業 – STEP2

ターフカッターの先端の刃を芝生に垂直に突き刺して根を切ります。土が固い場合は、ターフカッターに体重をかけるようにして、根を押し切るように突き刺します。深さは10cmくらいが目安となります。足でしっかり踏み込んで、芝生の根を確実に切ってください。

スライシング作業 – STEP3

一直線に線を引くイメージで、2の作業を繰り返します。この作業を、20cm~30cm間隔で芝生全体に行なってください。

スライシング作業 – STEP4

根切りの効果を更に高めたい場合は、20cm~30cmよりも狭い幅で切れ目を入れてください。縦方向横方向と、格子状に切れ目を入れるのも、効果を高める方法の一つです。

スライシング後の処理

スライシング後の後処理も大切なポイントです。

スライシングの作業を終えたら、必ず目土入れと散水の後処理を行います。なぜなら、スライシング作業により出来た切れ目により、芝生の根が直接空気に触れてしまうからです。

芝生の根は乾燥に弱いため、そのままにしておくと芝生にとって良くありませんので、作業をしてから1日以内には、切れ目を埋めるように目土を入れる必要があります。

最後に、たっぷりと散水してスライシング作業は完了です。

↓芝生の目土入れの方法については下記のページで詳しく紹介しています。

スライシングとエアレーションとの違い

スライシングと同じような目的と効果がある更新作業として、エアレーションと呼ばれる作業があります。

スライシングとエアレーション(スパイキング)は、どちらも、芝生を活性化させ、成長を促進するという目的では同じなので、優先したい目的に合わせて選ぶと良いでしょう。

スライシング作業とエアレーション作業の比較

根切の効果土を耕す効果
スライシング
エアレーション

芝生を植えて何年も経ち、古い根が密集しているようであれば、根切りの効果が大きいスライシングが有効です。エアレーション(スパイキング)は、土を耕す効果が大きいので、土壌の通気性、排水性の改善を優先したい場合に行います。もちろん、余裕があれば両方の作業を行なっても問題ありません。

エアレーション作業について
芝生に穴を開けるエアレーション

スライシングまとめ

きれいで元気な芝生を育てるために。

いかがでしたか。ここまで紹介したように、芝生を綺麗な状態で維持するためには、芝刈りや水やりなどの手入れ以外にも、定期的なスライシング作業を、適切な時期と方法で行う必要があります。

スライシングのポイントまとめ

  1. スライシングとはターフカッターを使って芝生の根を切る作業
  2. 根を切ることにより、芝生の老化を防ぐ事ができる
  3. 土をほぐす効果があり、排水性や通気性がアップする
  4. 3月中旬〜後半が作業に最適な時期(暖地型芝生の場合)
  5. 年に1回を目処に更新作業の一環として定期的に行う

スライシング作業は、芝刈りや肥料などと違って、すぐに効果が現れるものではありません。しかし、長い目で見て、定期的にコツコツと行うことで、状態の良い芝生を長期間維持することが出来るのです。

このページでは、スライシング作業の目的、方法、道具などについてご紹介させて頂きました。いつまでも綺麗な芝生を維持するために、是非挑戦してみてください。


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