芝生のキノコを駆除・予防する方法。キノコがよく生える芝生はサッチングと通気性の改善が必要。

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芝生のキノコは芝生に悪い影響を与えます 自宅の庭で芝生を育てている芝生愛好家のほとんどは、芝生にキノコが生えてきたことを経験していると思います。 我が家の芝生にも時々キノコが生えてきます。朝、芝生の上に突然キノコが生えていることが多いのです […]

芝生のトラブル
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芝生のキノコは芝生に悪い影響を与えます

自宅の庭で芝生を育てている芝生愛好家のほとんどは、芝生にキノコが生えてきたことを経験していると思います。

我が家の芝生にも時々キノコが生えてきます。朝、芝生の上に突然キノコが生えていることが多いのですが、昼頃には消えてしまうが多いので、ついついキノコを放置してしまいがちです。

しかし、芝生に生えてくるキノコは、見えないところで芝生に対して悪影響を与えているので、キノコが生えてこないように予防や対策をしないといけません。

そこでこのページでは、キノコが芝生に与える悪影響、キノコの種類、予防方法、駆除方法などを詳しく紹介していますので、参考にして対策を立ててください。

このページはこんな方におすすめ
  • 芝生に生えるキノコは有害なのか、放置しても良いのかを知りたい。
  • 芝生にキノコが生えてたので駆除方法を知りたい。
  • 芝生にキノコがよく生えるので予防方法を知りたい。
  • 芝生に生えてきたキノコの種類を知りたい。

芝生にキノコが生える原因とは?

6~7月の梅雨時期にキノコは生えてきます

芝生には様々な種類のキノコが生えてきます。ではなぜ芝生にキノコが生えてくるのでしょうか?

梅雨などで雨が続いて、芝生の土壌が湿った状態が長く続くと、土壌の中でキノコの菌が発生し、芝生の上にキノコが発生・成長しやすい環境になります。この時、芝生の上にキノコが生えているだけではなく、芝生の下もキノコの菌だらけになっています。

芝生の上で成長したキノコは胞子を飛ばすことで、周りにも次々とキノコが繁殖していきます。芝生がキノコで覆われてしまった被害例もあります。

もし、このようなキノコの被害が多く起こるようであれば、サッチ(有機物)が堆積していたり、土壌の通気性が悪いなど、芝生の土壌がキノコが育ちやすい環境になっていると考えられます。

キノコが芝生に与える影響

芝生に生えるキノコは放置してはいけません。

芝生に生えるキノコは、気がつけば自然と消えている事が多いのですが、このような状態を放置していてもよいのでしょうか?

生えてくるキノコが少ないのであれば、そんなに気にする事は無いのですが、キノコが多く生えてくる場合は、芝生に悪い影響を与えてしまうので注意が必要です。

下記にキノコが芝生に与える悪影響をいくつか紹介します。

芝生に生えたキノコは、胞子を撒き散らして繁殖する

キノコは、胞子を撒き散らして増殖します。

キノコの傘から出た胞子は、周囲に飛散しそこからまたキノコが生えてきます。そして、そこから生えてきたキノコがさらに胞子を撒き散らし、キノコが次々と増殖していきます。とくに芝生の上ではキノコが増殖しやすい環境だと言われています。

このように、芝生の上に生えたキノコはあっという間に芝生全体に広がり、綺麗な緑だった芝生の見栄えを悪くしてしまいます。

キノコから出る菌糸体が土の中で成長すると、土壌の通気性や排水性が悪くなる

芝生の下で成長するキノコの部分は「菌糸体」と呼ばれています。キノコの増殖が進むことで、土壌の中で「菌糸体」が層を作る状態になり、「菌糸体」が土壌の通気性や水はけを悪くしてしまうことが起こります。

そのために、肥料が十分に行き渡らなくなったり、水はけの悪さから芝生が病気になったり、最悪の場合は芝生が枯れてしまう原因にもなります。

フェアリーリング病の原因となる

キノコの菌が土の中で増えすぎると、環状に芝生が変色したり、枯れたりする「フェアリーリング病」になる場合があります。フェアリーリング病の原因となるキノコは数十種類はあると言われています。

フェアリーリングとは

芝生が環状で色が濃くなったり、枯れたりして、その跡にキノコが生える現象のこと。ヨーロッパでは妖精(フェアリー)がこの輪を作り躍るという言い伝えがあります。

芝生に生えるキノコの種類

50種類以上もある、芝生に生えるキノコ。では、芝生にはどのような種類のキノコが生えるのでしょうか。

芝生に生えるキノコとしては、白く球のような形の「ヒメホコリタケ」、茶色の小さな傘を持つ「シバフタケ」、釣鐘型の傘をもつ「キコガサタケ」などが有名です

ここでは、芝生に生えるキノコの種類をいくつかご紹介します。

ヒメホコリタケ

芝生によく映えるキノコとして有名で、白くて球状の形が特徴で表面にトゲがあります。ヒメホコリタケが成長すると傘の部分に穴が開き、そこから胞子を飛ばして繁殖します。

梅雨から秋にかけてよく発生します。

表面にドゲがないものは「チビホコリタケ」と呼ばれます。

シバフタケ

シバフタケはナメコの仲間で、黄土色〜茶色の傘を持っています。傘の大きさは1cm~5cm、柄の部分は5cmほどの小じんまりとしたキノコです。シバフタケはが成長すると傘を開き、そこから胞子を飛ばして繁殖します。

梅雨から秋にかけてよく発生します。

ヨーロッパではシバフタケを食べることもありますが、日本では一般的に食べれれることはありません。

キコガサタケ

キコガサタケは細長い茎に三角帽子のような小さな傘が付いているのが特徴的で、全体的に白っぽい色をしています。傘の大きさは4cmほど、柄の長さは4~5cmほどになります。白っぽい色のため、緑の上に芝生に生えていたらとても目立ちます。

梅雨から秋にかけてよく発生します

ハラタケ

ハラタケの傘の色は白く、マッシュルームに近い形をしています。傘の裏の色はピンク色から徐々に茶色になります。傘の大きさは5~15cmmほど、柄の長さは5~10cmほどになります。

春から秋にかけてよく発生します

ハラタケを食べる国もあります。

ドクベニタケ

ドクベニタケは鮮やかな赤色のカサを持った毒キノコです。色はピンク色の場合もあり、古くなってくると退色し白っぽくなります。傘の直径は3~10cmcmmほど。最初は、饅頭型だが、成長すると傘が開き、やがて反り返ります。

夏から秋にかけてよく発生します

おもなキノコの発生時期

名前発生時期
ヒメホコリタケ梅雨から秋にかけて
シバフタケ梅雨から秋にかけて
キコガサタケ梅雨から秋にかけて
ハラタケ春から秋にかけて
ドクベニタケ夏から秋にかけて

このように芝生に生えるキノコには様々な種類があります。中には食用にできる種類もありますが、庭に生えたキノコの食用はおすすめできません。食べる場合は自己責任でお願いします。

芝生にキノコが生えないように予防する

芝生が育ちにくい環境をつくる。

芝生にキノコが生えてこないようにする予防するためには、キノコの菌が育ちにくい環境を作る必要があります。

基本的には、芝生の手入れ(更新作業)をきっちりと行うことで、キノコの発生を予防することができます。

サッチングで有機物を取り除く

サッチとは芝刈り時の刈りカスや枯れた芝生が有機物になった層のことです。この堆積したサッチはキノコの格好の栄養源となります。

そこで、サッチを取り除く「サッチング作業」や「サッチ分解剤」によって、芝生の下の有機物を出来るだけ取り除きます。

サッチング作業は、芝生の更新作業の一環として推奨されている芝生の手入れ方法なので、
定期的に行いましょう。

↓サッチング作業については下記ページで紹介しています

土壌の通気性を良くする

土壌の通気性が良くなると、芝生の中の菌が増殖しやすくなります。

芝生の中の菌が増殖しやすくなると、キノコ菌も増殖しそうですが、実際は、キノコ菌以外の菌をすやすことで、キノコ菌の発生を抑えることができます。

そこで、エアレーションやコアリング作業を行い土壌の通気性を確保することで、キノコが育ちにくい環境を作ることができます。

エアレーションやコアリングは、専用の道具を使って芝生に穴をあける作業のことです。芝生の更新作業の一環として推奨されている芝生の手入れ方法なので、定期的に行いましょう。

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芝生の周囲の風通しを良くする

芝生を植えている場所の通気性が悪いと、芝生に水分がたまり、キノコが発生しやすい環境になります。芝生の周囲で、風の流れを邪魔するような物があれば、移動するなどして出来るだけ風通しを良くしてみましょう。

きのこ予防剤(殺菌剤)を散布する

有機酸酵素EXやアルムグリーンなどの「キノコ予防剤(殺菌剤)」を使うことで、キノコの発生を抑えることができます。

さらに、スーパーグリーンフード有益微生物を同時に散布することで、効果を高めることができます。

キノコが生えてしまった場合の対策

では、生えてしまったキノコにはどのように対処したら良いのでしょうか?

生えてきたキノコが少ないのであれば、キノコをすぐに刈りとく以外に、これと言って対策はしなくても良さそうです。キノコの繁殖が続くようであれば、農薬を散布した上で、根本的な土壌改善を検討してください。

キノコを早めに取り除く

芝生の上に生えたキノコを見つけたら、その場で除去しておきましょう。

キノコは成長すると、傘から胞子を撒き散らして次々と増殖していく可能性があるので、早い段階でしっかりと取り除いておくことが重要です。

症状が重い場合は農薬を散布する

手では取り除けないほど、キノコが繁殖しているようであれば、殺菌剤を使用してキノコを駆除したほうが懸命です。

キノコ駆除で使用する農薬は「グラステン水和剤」という薬品が一般的で、グラステン水和剤はキノコを駆除できるだけではなく、再発の予防効果もあります。

殺菌剤散布のポイント

キノコの菌糸体は10cm~20cmほどの深さまで成長することがあるので、グラステン水和剤を散布する場合は、水量を多くするなどして、土壌深くまでしっかりと浸透させることがポイントです。

フェアリーリング病には殺菌剤を使用する。

芝生が、環状に色が濃くなったり・枯れたりするするフェアリーリング病になってしまった場合は、「グラステン水和剤」などの殺菌剤を用います。

芝生に生えるキノコのまとめ

最後に、芝生に生えるキノコについてもう一度簡潔にまとめてみます。

  1. 芝生に生えるキノコの原因は、サッチや土壌の通気性が関係している
  2. 芝生に生えるキノコは、ヒメホコリタケ、キコガサタケシバフタケが有名
  3. 芝生に生えるキノコ予防にはサッチングやエアレーションが効果的
  4. 芝生にキノコが生えてしまった場合はすぐに取り除く
  5. キノコが増えすぎた場合は殺菌剤を使って取り除く

芝生にキノコが生えてしまうと、どんなに綺麗に育てた芝生でも、一気に見栄えが悪くなってきます。

基本的に人間には無害であっても、芝生には悪影響をあたえてしまうので、定期的な芝生のメンテナンスをしっかりと行い、キノコが生えてこない環境作りを目指しましょう。


この記事を書いた人

庭で芝生を育てる芝生大好きのお父さんです。育てている芝生の種類は「高麗芝」植えてから12年になります。芝生を植えた時に手伝ってくれた子どもたちは大きくなり、今では芝生に興味を示してくれず、仕方ないので一人でコツコツと芝生の手入れをしています。週末は芝生の管理に追われる芝奴隷です。

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